◆ネットワークビジネスのクロスリクルートとは
クロスリクルートとは、他社ネットワークビジネス(MLM)に登録し、元の自身のグループ会員を組織作りのために引き抜くこと、また、同一ネットワークビジネス(MLM)で他系列の会員を自分の系列に引き抜く行為のことです。自分の系列の会員であっても配置変更を企てることはクロスリクルートに該当します。ネットワークビジネス(MLM)では、会員を増やすことがビジネス拡大に繋がるため、クロスリクルートは組織間の競争を招き、倫理的な問題となる場合があります。
具体的には、以下のような行為がクロスリクルートに該当します。
- 別の組織のセミナーやイベントに勧誘する
- 別の組織の製品やサービスを勧める
- 別の組織のビジネスチャンスを説明する
- 自分の組織の会員に、別の組織に加入するよう圧力をかける
クロスリクルートは、以下の理由で問題視されています。
組織間の対立を招く
ネットワークビジネスでは先述したように組織拡大が命でありそれを確固としたものに育て上げる必要があります。
そのためクロスリクルートが自由に認められるとなると組織間は敵対的関係になってしまいます。
同一社内の組織同士がそうなってしまっては人間関係を基とするこのビジネスは成り立たなくなる可能性があります。
会員の混乱を招く
会員は安心してビジネスに取り組めません。基本的にはひとつの会社のビジネスに集中して活動しなければならないのですが引き抜きや、会員に他のビジネスを誘われたりでは混乱をきたすことになるでしょう。
ネットワークビジネス(MLM)全体のイメージを悪化させる
それでなくとも世間のネットワークビジネスのイメージは悪いです。さらに内部でごちゃごちゃと抗争していてはそのイメージはさらに悪くなると考えられます。
違法行為に繋がる場合がある
本来リクルートとは外部の人を勧誘するものですが、会員同士で引き抜き合ったり、他社のネットワークビジネスを誘われたりでは何が何だかわからなくなってしまいます。またパワハラ的な圧力で勧誘するなどの違法行為が発生する可能性もありますね。
多くのネットワークビジネス会社では、クロスリクルートを禁止する規約を設けています。規約に違反した場合、会員資格剥奪などの処分を受ける可能性があります。
クロスリクルートに関する法規制
日本では、虚偽または誇大広告による勧誘、不当な勧誘、連鎖販売取引に関する規制に違反する行為などは違法ですがクロスリクルート自体は違法ではありません。
しかし、各ネットワークビジネス主宰会社はそれぞれの規約を設けてクロスリクルートを禁止しています。
クロスリクルートの被害を受けた場合
クロスリクルートの被害を受けた場合は、以下の機関に相談することができます。
- 消費者庁
- 国民生活センター
- 各都道府県の消費生活センター
クロスリクルートは、ネットワークビジネスおける深刻な問題です。ネットワークビジネスに参加する前に、クロスリクルートについて十分に理解し、被害に遭わないよう注意しましょう。
※参考情報
消費者庁: https://www.caa.go.jp/
国民生活センター: https://www.kokusen.go.jp/
景品表示法: https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
不当景品類及び不当表示法: https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
◆ネットワークビジネスにおける主体性の大切さ