◆ネットワークビジネス(MLM)業界、タッパーウェア社の破産申請は曲がり角の予兆か?
ネットワークビジネス(MLM)業界の草分けタッパーウェア社が破産申請したという記事を見つけました。
長文なので要約を書きます。
タッパーウェア社の破産申請に関する主なポイントは以下の通りです。
●企業概要と現状
米タッパーウェアは、プラスチック容器ブランドの元祖
2024年に米国で破産申請
「製品は知られているが、入手方法を知る人が少ない」という課題に直面
●ビジネスモデルの特徴
マルチレベルマーケティング(MLM)方式を採用
一般小売店での販売はせず、販売員による直接販売
「タッパーウェアパーティー」という独自の販売手法で成長
●MLMモデルの利点(かつての強み)
販売員へのインセンティブ制度
顧客との密接な関係構築
固定費の抑制が可能
●現在の経営危機
2021年第3四半期以降、売上が低迷
2023年には緊急の資金調達が必要な状況に
2024年には株価が約75%下落
同業のエイボンも破産申請するなど、MLMビジネスモデル全体が課題に直面
この事例は、デジタル時代におけるMLMビジネスモデルの課題を浮き彫りにしています。
尚、全文を読むにはこちらからどうぞ。
僕がポイントと感じた、記事の一部を引用します。
タッパーウェア社などのMLM企業に何が起きたのか
時代、人々、文化は変わり続けている。タッパーウェアやエイボンといった初期のMLM企業は、今となっては懐かしい時代に販売スタイルが確立され、その時代に最も成功していた企業であった。
女性の多くがフルタイムで働いておらず、家庭にいることが一般的だったその時代、タッパーウェアのサクセスストーリーは希望を与え、友人を作る手段として役立っていた。育児に追われ孤独な生活を送ることの多かった20世紀中盤のオーストラリア郊外において、こうした販売活動は価値のあるものであった。
その後、女性のフルタイム雇用率は急上昇し、こうしたブランドは戦略の見直しを迫られることになった。
エイボンは2023年末に、イギリスに初の実店舗をオープンする計画を発表した。同社は過去10年間にわたり、一貫して売上の減少に直面していた。
当時のCEOアンジェラ・クレトゥ氏は次のように述べている。
「過去には女性は家にいたが、今は外に出て働いている。私たちは彼女たちがいる場所に行き、サービスをできる限り便利にしなければならない。」
タッパーウェアのブランド再構築の失敗
文化も変化した。生活をより良くするために友人を誘って金銭的な見返りを求める行為は、今では自分たちの犠牲の上に成り立っているとされ、お金をもらう人以外にとってはパーティーと呼べなくなっているかもしれない。
タッパーウェアは、お弁当を持ち運ぶための安全な容器であり、かつ母親たちが愛用する「レトロ」なブランドだった。だが、それが「クール」なイメージを持つことはほとんどなかった。
また、同社はその成功ゆえに被害を受けた面もある。簡単に失くしたり壊したりするタッパーのフタを無償で交換する保証プログラムは、私が聞いたことのある中では最も、消費者にとって消費者に優しいマーケティングプログラムの一つだ。
ただし、販売が低迷する中でのマーケティング戦略としては、消費者が新たな容器を買うニーズを減らしてしまい、結果として新しい製品への関心が薄れることにつながった。
さらに、競合他社が非常に似たデザインの低価格商品を次々と提供したことも、ブランドに悪影響を及ぼした。
2022年、タッパーウェア社は長年の直接販売から大きな転換を図り、米国のディスカウントスーパーであるターゲットの店舗に製品を並べた。しかし、その試みは遅すぎたのかもしれない。
デジタル時代の新たな「副業」も競合に
タッパーウェアは、多くのMLMビジネスと同様に、ここ10年のデジタル変革に適応することができなかった。一方で、オンラインで活躍する新世代の「副業」が登場し、隆盛を誇っている。
MLMモデルとは異なり、AmazonやEtsy(手芸や古物、工芸品などを扱うアメリカのECサイト)などのプラットフォームでは、個人が独自のバーチャル店舗を持ち、より早い段階で高い収益を得る可能性を提供している。
これらの「副業」にはレベル構造があることもあるが、従来のMLMの階層的なシステムというよりも、フランチャイズに近い仕組みである。今や、オンライン市場では「アフィリエイト」「コラボレーター」「パートナー」といった言葉を聞く機会が増えている。
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