◆ネットワークビジネスのセミナーでアテンションコントロールされていませんか？

 

アテンションコントロールとは相手の意識をこちらに向けさせるために使う手法です。

例えば遠足に出発するとき、無秩序状態でザワついている子供たちに先生が片手を挙げて
「注目！」なんて言いませんか？アテンションプリーズ、ですね。

皆一斉にそちらを向いておしゃべりをやめて話を聞き始める。

これは単純なアテンションコントロールです。

 

司会者に紹介された演者が登壇してさぁ演説が始まるというときに、十数秒の沈黙。

すぐに話し始めない。もちろん意図があります。

聴衆は「なんだ？どうかしたのか？」という疑問が生じて演者に意識が集中します。
聴衆の意識を意図的にコントロールしているのです。

 

 

＊アテンションコントロールの目的を理解して、自分が操作されないように

 

新興宗教団体の信者募集会場、ネットワークビジネスや自己啓発セミナーの新規会員説明会などで、
来場者の判断力を低下させ行動に影響を与える演出をしている場合があります。

来場者の行動が思うような方向に向くようにコントロールするのが狙いです。

そこでは、会場の室温を高目に設定し、密集させ、大音量を使います。

先日あるセミナーで久しぶりに目の当たりにしました。

それは表向き副業に関するものでしたがスピーカーの声が大変大きいのです。

しかも話すスピードがもの凄く早いんです。

別のスピーカーに替わっても同じ。

丁寧に、相手に理解してもらおうというような話っぷりではない。

ちょっと大げさに言えば右翼の街宣車みたいに暴力的で異様な感じです。

 

話すスピードが早いから聞き取ろうと意識が集中しますが十分に理解できません。

頭が混乱してきます。

もっとゆっくり話して、と言っても決められた時間内に多くのの情報量を伝えなければならないから、
と却下されるでしょう。

そして大音量は判断力を低下させるのです。

聞き手の意識下を操作して話し手の説得力・影響力を高める、
まさに聴衆をコントロールしようという意図がわかります。

 

まんまと罠にはまらないようにしてください。

 

 

＊アテンションコントロールの絶大な効果

 

なにかよく理解できないまま話は進んでいきますが、理性でほ納得できていないのに何故か、
「これは申し込む価値がある」という感情が昂ります。

理屈でわからなくても感情が勝ってしまうのですね。

たとえば恋愛で相手を好きになるときの心理は理屈ではなく感情優位ではないでしょうか。

こうこうこういう理由で相手を好きになったと頭で考えるわけではないでしょう。

 

さっきのセミナーの結末です。

副業の話から始まって結局投資スクールの勧誘でした。

最後にひとりひとり個別面談で質問、相談、契約をさせクロージングです。

 

それが、その日その場で契約しなければならないというもので、これにはびっくりしました。

契約してもしなくてもいいわけですが、すっかりコントロールされてしまい感情が
「これは申し込む価値がある」と傾いていればそのまま契約してしまったでしょう。

冷静になって検討する時間を与えない、これも彼らの戦術、罠なのです。

お金はコースにより数十万円～百万円かかるものです。

その判断を今、セミナーを聴いた直後にしろというわけです。
YES,NOの二択しかありません。

話の内容が嘘でないなら価値があると感じました。

検討の余地があれば考えたでしょう。

 

しかしこの最後のやり口が気に入りませんでした。

個別面談に入り二三質問をした後「契約しますか？」と聞かれたので
「帰って検討したい」と答えると即却下され「分割もできるから是非申し込んで欲しい」と
しつこく食い下がります。

拒否して帰りましたが回りを見るとかなりの成約のようでした。

「他の人もたくさん申し込んでいるから自分の判断は正しいはず」と確信を深めているのがわかります。

理性はそっちのけでそのムードに飲まれてしまっています。

真剣に申込書に記入している人たちの姿を横目に足早に会場を後にしました。

そのアテンションコントロールの効果は絶大だったと感じています。

 

 

 

◆勧誘しない新しいネットワークビジネスではリストアップの必要がない