◆行列のできるラーメン屋にみる「社会的証明の原理」とは?
ラーメン屋の前の長い行列を見ると、自分は食べてもいないのに
この店のラーメンはおいしいだろうと勝手に思い込むものです。
これだけの人が並んでまで食べようとするのだから、
おいしいに違いないと思うのは自然です。
つい食べてみたくなり一緒に並んでしまうということがありますね。
その時は時間がなくて並べなくても、このラーメン屋のことは強く記憶に残り
今度行ってみようと思うものです。
人は行動するとき、または何かを決定するとき、
他の人の行動を基準にしながら決める傾向があります。
人間のこの特性を社会的証明の原理と呼びます。
他の多くの人が行っている事は無意識のうちに正しいと判断し、
自分もそれに合わせようとするのです。
ラーメン屋にかぎらず社会的証明の原理を
うまく応用して集客に生かしていることもあるのです。
例えば計算ずくで店内を狭く設計し
意図的に行列が出来るようにしているなどです。
そうなると、行列とラーメンの味に因果関係はありません。
これを知ると騙されたような気分になるかもしれませんが、
「行列の出来るラーメン屋はおいしい」とは誰も保証していません。
社会的証明の原理によって客が勝手にそう思い込むということなのです。
●社会的証明の原理は他にも様々な場面で使われている
社会的証明の原理を利用した例は他にもいろいろあります。
バラエティ番組の録音笑いでは、さほど面白くない場面でも
ついつられて笑ったりしてしまうものです。
募金箱を透明にしてあらかじめお金をたくさん入れておくと、
これを見た人は、すでに多くの人がこんなにも募金をしている
と思い込み募金に対する抵抗が薄れます。
募金の内容をろくに確かめもせず自分も募金をしなければという
心理に陥るということです。
通販番組で注文の電話番号を伝えた後に「大変申し訳ありませんが、
電話が混み合いつながりにくい場合がございますので、
何度かお掛け直しください」と付け加えます。
視聴者はそんなに注文が殺到する商品なら信用できると勝手に思い込みます。
広告のコピーでは、「○○部門で10周連続売上NO.1!」、
「累計売上○○万本突破!」などなど至る所に使われています。
売れているということは多くの人に支持されていることを意味します。
「それほど売れているものなら良いものに違いない」と思うのは
やはり思い込みなのです。
お客様の声やレビューも同様です。
実在する他人の意見には、思いのほか大きな影響力があるのです。
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