マルチレベルマーケティング(MLM)とシングルレベルマーケティング
ネットワークビジネスはマルチレベルマーケティング(MLM)とも呼ばれます。
人のネットワーク、ヒューマンリレーションシップのビジネスです。
売り手と買い手1対1の関係で終わらず
人間関係の連鎖で流通組織が構築されていきます。
セールスも人間関係ですよね。何が違うのか?
セールスも人間関係であることに間違いはありませんが、
それは基本的に売り手と買い手、1対1の関係で完結します。
ネットワークとはもっと広い人間関係になります。
人と人の関係が網のようにつながっている、買い手が売り手となって
新たな会員(買い手)を開拓していき人間関係は繋がっています。
1対1の関係で終わらない、人の集合体、組織としてのビジネスです。
ではシングルレベルとはどんな意味になるのでしょうか。
*マルチレベルに対してシングルレベルを対比するとわかりやすい
ネットワークビジネスが登場する(発明される?)まではビジネスは
全てシングルレベルマーケティングでした。
私たち消費者が誰かから何かを買う場合、その商品の流通形態を
シングルレベルマーケティング(SLM)と言います。
つまり、小売(販売店)⇒消費者という単階層の関係で
モノが買い手に渡り支払いが完了すれば完了です。
売り手側対買い手側の単階層の流通形態なので
シングルレベルと呼びます。
シングルレベルマーケティングでは基本的には単階層の顧客を
増やし続けなければなりません。
言い方を変えると売続けなければ破綻します。
これに対してマルチレベルマーケティング(MLM)の流通形態では
「多面的な階層で物品を流通させる仕組みを持つ販売方式」となります。
消費者であるあなたが自分で製品を愛用しながら、
あなたと同じように製品を購入・愛用してくれて、
なおかつ同じように宣伝してくれる人を紹介していく形態です。
それは集客・販売で終わらず顧客=販売員を探す活動になります。
つまり人材を探すことにもなります。
そのため単なる「集客」ではなく「リクルート」といいます。
あなたの紹介者はあなたと同じように紹介者を見つけます。
この関係が網(ネット)のように連鎖して広がっていきます。
そのため連鎖販売取引とも呼ばれます。
そしてその組織の流通量、売上から報酬としてコミッションが計算されます。
つまりあなたの仕事に対する報酬は、
あなたがリクルートした人から個別にもらうのでなく
あなたと繋がっている組織全体の総売り上げの中から
いただいていることになります。
この仕組みはダウンのダウン、さらにその下の階層まで繋がっています。
これが多段階=マルチレベルという意味になります。
この仕組みを曲解して、上の人が下の人から搾取する商売だと誤解する人もいます。
しかし、搾取とは一方的に搾り取ることです。
ネットワークビジネスは搾取されているのではありません。
会員はその仕組みを納得したうえで参加しているのです。
逆に言うとこの仕組みが理解できない人はやらないほうが良いでしょう。
(いつまでも、何か後ろめたい気持ちで仕事をするハメになり
成果も上がりません)
実際にまっとうな会社の報酬プランであれば
報酬でダウンがアップを抜くことはいくらでもあります。
*多段階(マルチレベル)につきまとう胡散臭さ
別の言い方をすれば、会員の報酬は、その会員の成果、
仕事量(リクルート量=流通量=会社の売上)から算出された
紹介手数料だとも言えます。
シングルレベルマーケティングではこれは単価いくらで何個購入?
で話が済みます。
また、労働収入であればその報酬は殆ど時給に換算できます。
しかしマルチレベルマーケティングではそうはいきません。
よくある質問に「何人紹介したらいくらもらえるの?」というのがありますが
簡単には答えられません。
ボーナスも数種類ありこのレベルにいけばこの報酬が加わるなど複雑です。
1個いくらとか時給いくらという単純な話ではないのですね。
この複雑さ、わかりにくさを不透明なものと感じて怪しがる人も多いようです。
マルチレベル、多段階をあらゆる階層の人が参加できる
という意味で説明している人もいます。
間違いではないでしょうが本質ではないと思います。
MLMが誕生するまで、長い歴史の中でシングルレベルマーケティングしか
なかったのです。
先述しましたがシングルレベルマーケティングでは売り続けなければなりません。
それが宿命です。
一方MLMでは最初はリクルート活動に集中しますが
ある程度の流通組織ができればリクルートし続けなければならないという
ことはないのです。
ダウンの教育や組織の拡大に注力することになります。
これが物販だけでなく労働収入と大きく異なる特徴のひとつです。
20世紀の大発明のひとつと言われるマルチレベルマーケティングは
当時常識を覆す全く新しいものであったわけです。
生まれて半世紀過ぎてもまだ本質を理解できない人々がいるのは悲しいことです。
その原因の一つにはこの仕組みに似せて悪用される詐欺的な
悪徳マルチまがいビジネスがいまだに後を絶たないということもあるのでしょう。